ポーランドを代表する巨匠・アンジェイ・ワイダ演出、歌舞伎役者であり舞踏家の坂東玉三郎・主演の舞台劇『ナスターシャ』の映画化作品。ワイダは80年7月、南座で公演された『椿姫』を鑑賞し主演の坂東玉三郎に注目、かつてポーランドで自身が手掛けた『ナスターシャ・フィリポブナ』というドストエフスキーの長編『白痴』をベースにした演劇を、玉三郎主演で作り替えることを思い立った。89年3月その試みは東京下町の小劇場・ベニンサンピットで実現し、国際的にも高い評価を受けた。映画化作品は、94年4月1日~5月31日に催された『TAMASABURO PROUDLY PRESENTS NEW TRIAL CINEMA EVENT 1』(企画=シネマ・イヴェント実行委員会/主催=TOKYO FM/提供=オデッセー)のメイン・プログラムとして初公開され札幌を皮切りに全国で巡回上映され、その後10月29日~11月11日に都内の劇場でロードショー公開された(短編作品『「坂東玉三郎舞踏集」より「稲舟」』併映)。